なぜ現状を変えられないのか?
今の生活に不満を抱いている人は、その生活をずっと続けていてはきっとダメだ、将来的に大変なことになる
そう思っているから、現状を変えたいと思っています。
ですがその中で現状を変えられていない人は、その危機感がふわっとしているのです。
「まあ、このままじゃダメっぽいな」
このように具体的にどうダメなのかがはっきりしていない、そのために危機感も薄く、現状を変えるに至れないのです。
そしてもっと理由はあります。この「現状を変えたいのに変えようとしない理由」を知ることが、現状を変えるテクニックを習得するより、根性論で自分を叩き上げるより何をするにも重要なことなのです。
理由を知ることが重要な理由
その理由は人間の行動のプロセスにあります。
人間は「思考」から「行動」ができます。つまり考えてから行動をするのです。行動の理由を知ることで、やっと100%行動をすることができるのです。
医者はわけもわからず患者の体を切り刻みません。
医者は患者を治そうとして、治すためにはメスを体に入れる必要があるから、体を切るのです。
そして現状を変えたいのに変えられない理由に戻ります。
これははっきり言って「現状を変える義務がないから」ですね。
現状を変えないと罰せられるという法律はありません。「現状を変えなければ」というのは勝手に自分で考えた決め事です。守ろうが破ろうが誰も何も言いません。
つまり現状を変える必要はもともとないのです。
勝手にあなたが現状を変える必要があると思い込んでいるだけです
。
そんな状態で現状を変えるなんていうのは本来、やらなくていいことなのです。
それを頭の中に入れないままに、もし現状を変える努力をしたとします。ある時壁に直面したり、上手くいかなかったりすると、人間は体を奮い立たせてなんとか再び行動をさせようとしますが、そのためには「現状を変える理由」が必要なのです。
「なんで自分は現状を変えるために頑張っているのか」
当然もともと理由なんてありません。そこで理由が見当たらず、人間は行動を止めてしまうのです。努力をしても努力をしても虚無感を覚えることでしょう。
あなたの周りに、継続して何かを努力している人がいるかもしれません。一年、あるいはそれ以上継続をして、努力をしているかもしれません。
資格の勉強であったり
料理の修行であったり
ビジネスであったり
あなたは彼らを見て、一瞬たりとも気を抜かない、「継続の怪物」だと想像します。
ですが本当に彼らは一瞬も立ち止まらず、継続をしたのでしょうか。
私はある経営者に質問したことがあります。
「あなたはどうしてそんなに継続ができるのですか?」
彼は、こう答えます。
「いや、継続なんて全然できていないよ。挫折なら何回もした。」
彼は何回も死のうと思ったり、逃げ出したいとも思ったことがあるそうです。事業が失敗した時は何回も業界から足を洗おうと考えたそうです。もともと物事が長続きしない性格であるためです。
ですが、その度に彼は「自分はなぜこんなに頑張っているのかを考えて、またすぐ頑張れた」と言います。
はたから見ると継続をしている人は時々超人に見えます。
ですが、挫折をせずに継続をしているひとはほとんどいません。「小さな挫折と復活」を繰り返して、なんとか続けられている人こそが「継続できる人」なのです。
現状を変えるために、変える努力をします。継続も当然するでしょう。そこで小さな挫折が、何度もあなたを襲います。風邪をひいたり、収入が長らく上がらなかったり、周りの人間が楽しく遊んでいるのを羨ましく思ったり、小さな挫折が必ず何度もやってきます。その時、「なぜ最初に自分は現状を変えようと思ったのか」これが必要なのです。
現状を変えなければいけない理由。そんなものはもともとこの世界には存在しない。
だから、片付けられていない部屋を片付けず、ベッドに寝転びスマホがいじれる。
だから、今の収入に不満を感じつつも収入を増やす行動をしない。
そこで、今ベッドに横たわらず、今スマホをいじらず、部屋を片付けなければならないんだ、と踏みとどまれる強い理由が必要なのです。
今、しょうがないと思って今の収入の範囲で生活をするのではなく、自分は他に収入を増やす努力をしなければならないんだ、と思える強い理由が必要なのです。